フッ素塗布の効果 - 子供の歯への安全性について
こんにちは、大阪市中央区谷町の歯科医院 ちかファミリー歯科+kids です。
いつも、 ちかファミリー歯科+kids のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
今回はフッ素塗布の効果 - 安全性や使用方法、子供への影響についてお話しさせていただきます。
フッ素塗布の安全性について
歯磨き粉にはさまざまな成分が配合されていますが、その中でも「歯を強くする」「虫歯予防」の効果があるのがフッ素。使い続けることで、むし歯に負けない抵抗力のある歯に導いてくれます。
一方で、
「フッ素は塗らない方がいい」
「フッ素塗布は子供には危険」
という意見を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。このようにフッ素に反対する意見があるため、「フッ素ってどうなの?」と気にされてる方も多いと思います。
結論から言うと、フッ素塗布は安全です。
フッ素は、単体だとガラスやプラスチックを溶かせるほどの酸化作用があり、人間にとっては猛毒となります。そのため、フッ素塗布は危険、子どもにはフッ素は塗らない方がいいというイメージや意見があるかもしれません。
しかし、歯磨き粉や歯科医院で使っているのは安全性の高いフッ化物で、単体のフッ素とはまったく異なります。単体で身体に摂取されることはなく、危険性はありません。
フッ素入り歯磨き粉の効果・使用方法
現在、フッ素入り歯磨き粉は多くの国で利用されており、日本国内で販売されている歯磨き粉のうち、大半にフッ素が配合されているという報告があります。フッ素入り歯磨き粉の利用は、家庭で手軽に行える身近な虫歯予防です。
では、フッ素塗布の効果、安全性、使用方法について詳しく解説します。
フッ素(フッ化物)の効果について
フッ素は虫歯予防に2つの主な効果があります。
1,再石灰化を促す
再石灰化とは、脱灰による歯のダメージが修復され、元の健康な状態に戻る現象です。唾液中のリン酸カルシウムの働きによって起こります。フッ化物は、リン酸カルシウムの反応性を高める働きがあり、再石灰化を促進します。
2,歯垢による酸の生成を抑える
歯に付着した歯垢内の細菌は、糖質から酸を生成します。フッ化物は細菌の働きを抑制し、虫歯の原因となる酸の生成を抑えます。
フッ素の効果的な使用方法
安全に虫歯予防を行うには、フッ素入り歯磨き粉の適正使用量を守ることが大切です。
さきほど「フッ素=危険性はありません」と書きましたが、実際には注意をしなければならないこともあります。
『薬も過ぎれば毒となる』ということわざがあります。
この言葉通り、食品や薬などは使い方次第で薬にも毒にもなるのです。
適量を適正に使用すれば効果があっても、量や使用方法を間違えると体に悪影響を及ぼしてしまいます。フッ素も同じで、過剰摂取をすれば悪影響が出ます。
ではフッ素をどのように使えば虫歯予防に効果的?
歯科医院での高濃度フッ素による「フッ素塗布」
フッ素塗布は、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が行う施術で、歯の表面のエナメル質に直接フッ素を塗っていきます。奥歯や歯と歯の間など、歯ブラシが届きにくく、むし歯になりやすいところにフッ素塗布を行うので効果的です。
「フッ素入り歯磨き粉」を使ってセルフケアする
歯科医院でのフッ素塗布と比べると濃度が低いですが、毎日使うことで虫歯予防の効果を高めることが出来ます。
「フッ素洗口液」を使ってうがいする
フッ化物の応用法としては「フッ素洗口液」によるうがいも効果があります。フッ素の入った洗口液のフッ素濃度は250~900ppmです。薄めて使うタイプのフッ素洗口液は必ず薄めて使用し、絶対に原液のまま歯に直接つけたりしないようにしてください。
子供のフッ素入り歯磨き粉の選び方 年齢別の適切なフッ素濃度を紹介
歯医者さんで販売されている歯磨き粉や市販されている歯磨き粉には、フッ素配合の歯磨き粉があり、「歯を強くする」「虫歯予防」といった謳い文句で、販売されていると思います。しかし、フッ素が入っているからどれを使用しても良いという訳ではありません。
特にお子様の場合は、年齢により摂取できる適切なフッ素の量があり、お子様に使用する歯磨き粉は、定期的に歯科医師のチェックを受けて、口の中の状態に合わせた使用法の指導を受けてください。
では、お子様の年齢に合った適切なフッ素濃度について詳しく解説します。
年齢ごとの適切なフッ素濃度と、オススメの歯磨き粉
効果的な使用方法
<使用量の目安>
年齢に応じて適切な量を歯ブラシにのせる。
~3歳くらいのお子様には
- 【時期の目安】乳歯の奥歯がある程度生えてきたら
- 【フッ素濃度】 500ppm程度
- 【オススメ歯磨き粉】チェックアップ ジェルタイプ バナナ:500ppm F(使用目安3mm程度)
3~5歳のお子様には
- 【歯磨き粉を変える時期の目安】お口のうがいが上手に出来るようになったら
- 【フッ素濃度】 500〜1,000ppm程度
- 【オススメ歯磨き粉】
- チェックアップ ジェルタイプ ピーチ、グレープ、レモンティー:950ppm F(使用目安5mm程度)
6歳以上のお子様には
- 【歯磨き粉を変える時期の目安】小学校入学を目安に
- 【フッ素濃度】 1,000ppm程度
- 【オススメ歯磨き粉】
- チェックアップ ジェルタイプ ピーチ、グレープ、レモンティー:950ppm F(使用目安1cm程度)
15歳くらいからは
- 【フッ素濃度】 1,000〜1,500ppm程度
- 【オススメ歯磨き粉】
- チェックアップ ジェルタイプ ミント 1,450ppm F(使用目安2cm程度)
- チェックアップ コドモ 950ppm F(使用目安2cm程度)
フッ素についてよくある質問
Q.フッ素は子供に悪影響がありますか?
A,一般的に全ての薬はその用法と用量が適切であれば効果を発揮し、用量が過剰であれば悪影響を生じます。歯科で用いるフッ素については、濃度と使用する量を調整することで、完全に安全な方法で使用しております。
Q.子供はフッ素を塗る必要がありますか?また、何歳ぐらいから始めるのが良いですか?
A.フッ素は虫歯予防効果があると言われている予防薬で、歯が生え始めたら塗ることができるようになります。 1歳未満の小さなお子さんはまだ歯の本数も少なく虫歯のリスクも低いですし、無理にフッ素を塗る必要はないと考えます。 1歳を過ぎた頃に上下の前歯4本が生えそろう時期にフッ素の塗布を開始することが理想的です。
Q.歯科医院でのフッ素塗布と家庭で行うフッ素歯磨きをしていますが、どちらもしても大丈夫ですか?
A.3ヶ月に1度の歯科医院での定期健診と毎日の家庭でのセルフケアは平行して行う事ができます。
正しくフッ素を使って子供の歯を守りましょう!
フッ素は正しく使えばいい事しかありません。お子様の年齢に合わせて、適切なフッ素濃度の歯磨き粉を選んで頂き、お子様のお口を守って頂きたいと思います。WHOや厚生労働省でもフッ素を推進していますので安全性に関しても安心して使用できますし、虫歯予防には非常に効果的ですので正しくフッ素を使って虫歯菌から歯を守りましょう。
お子様の歯について、気になることがありましたら、ぜひ一度、当院まで検診にお越し下さい。
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